● はじめに ●
これから自分が使うトレーディングシステム(以下、システム)を開発していくにあたって、その開発の流れについて説明します。
各工程についての詳細は、別のページにて説明します。
なお、開発の方法についてはたくさんあるので、ここに書いてあることが100%正しいとは限りません。
● 1.目録作り ●
自分の分析をする。
自分の熟練度、気質、持ち時間、資金、長所と短所などをまとめた目録が必要になる。
これがないと、自分にふさわしい方法論は開発できない。
● 2.オープンマインドで情報収集 ●
「現実だ」と思っていることは、単にそう信じているに過ぎない。信じていることが変わると現実が変わる。
もし自分の理解や信念と相容れないものに出会ったら、「この方がもっと役に立つ信念ではないか」と考えてみる。
そうすれば、新しい考えや知識に突如としてオープンになれる。
オープンな心は、相場についての信念を形成するために必要だ。オープンでないと「信念」が「事実」のように思えてしまう。そうと気づかずに幻想で売買することは、だれにもありがちだが、とても危険である。自分が信じるものによって大いに惑わされてしまう。
相場で売買するのではない。相場についての信念で売買する。
心がオープンになったら、相場についての本を読み始める。書物から売買ゲームをする際の「信念」の基礎を作る。これらの信念は、取り乱してしまうような差し迫った問題に答えを与えてくれるものになる。
● 3.目標を決める ●
相場で何を達成したいのか、それをしっかりとわかっていないと適切なシステムは作れない。目標を明確にすることは重要な仕事である。
● 4.売買のための時間枠を決める ●
● 5.過去の相場の共通点を探る ●
同じ時間枠で最も望ましい相場の動きを見つけ出す。
いろんな相場から事例をたくさん集める。少なくとも50〜100例は集める。必ず上げ相場と下げ相場の両方を含める。
見本をたくさん集めたら、それらを観察して共通点を探す。
● 6.どんな概念が背後にあるのか。概念の客観的な物差し ●
どんな売買概念が見えるか。
まず、どんな状況下で相場は動くのか。それをどうやって客観的な物差しで計るのか。
これに対する答えがシステムの2つの要素となる。
これは、基準条件と仕掛けるタイミングである。
セットアップとタイミングのシグナルは、システムの信頼性にとって重要である。
そういう動きがあったとき、どのくらいの頻度で儲かるのか。仕掛けはシステムのほかの要素と切り離して検証すべきだ。
目的が仕掛けの信頼性を試すことにあるのなら、そのことでわかるのは、一定時間の経過後にどのくらいの割合で利益が出るかというだけである。
ストップは使わないので考慮していない。これを加えると、儲かる売買でも損失が出るとストップのかかることがあるので、システムの信頼性が下がる。
取引コスト(予想と実際の売買値の差額と手数料)も含まれていない。これを含めると、たちまち信頼性が落ちる。
ここで知りたいこととは、これらの要素を加味する前に、仕掛けの信頼性が単なる偶然と比較して顕著に優れているということ。
何らかの売買概念があって、それがランダムに仕掛けるより優れていれば信頼性は55%を超えるだろう。そうでなければ、どんなに健全な概念に思えてもランダムと変わらない。
● 7.ストップと売買コストも加える ●
売買概念にとって大切なのは、予想通りにいかないとき、そうとわかることだ。
自分の概念がうまくいかないとき、ストップは局面を逃れて資金を温存するべき時期を示すものである。それは概念の性質によって異なる。
どんなストップを使うか決まったら、一つ前のステップで行った計算にストップと売買コスト(スリッページと手数料)を声得手計算しなおしてみる。すると、仕掛けの信頼性はかなり下がる。最初60%なら、50〜55%ぐらいになる。
● 8.利益確定の手仕舞いと期待値を決める ●
次は相場の動きが止まったときの概念だ。いかにして利益を確定するか。個々の状況、達成目標や売買に使える時間、概念をよく考えて決める。
● 9.利幅の大きな売買を狙う ●
損失の割には大きい利幅を狙う。初期のリスク(Rという)でストップがかかって被る損失の何倍もの利益が出るようにする。つまり、R倍数の大きい取引を狙う。
重要なのは、R倍数の大きい(10R以上の)売買をとらえる方法をみつけること。
10Rの売買ひとつで、1−Rの損失が7回あっても儲けられることを覚えておく。しかも取引コストも計算に入れておく。
こんな売買がしたければ、
@相場が大きく動くときをとらえて仕掛ける
A初期のストップは妥当な範囲で小さく設定し、損失は数ドルかそれ以下に必ず抑える
Bたとえ利益を失うことになっても初期のストップには従う
C大きな利益が見えてきたらすかさず捕まえる
ということが大事になる。
このような売買を選ぶと勝率は35%以下になるが、それでも儲けはとても大きい。
● 10.ポジションサイジングを最適に ●
ポジションサイジングはシステムの最も重要な部分だ。期待値がプラスのきちんとしたシステムがあれば、利益も損失もポジションサイジングで決まる。
● 11.システムをいかに改善するか ●
マーケットの情報収集は絶えず行わなければならない。マーケットというものは、商いに参加している人の性格によって変わってくる。
● 12.最悪の事態に備えて心の準備を ●
いろいろな状況にシステムがどう対応するか考えておくこと。
どんな相場のときにどうしたいのか?乱高下する相場や、強力なトレンド、薄商いで興味を持てない相場など。それぞれの状況でシステムがどう動くかを理解していないと見通しが利かない。
「もし逆の売買をしていたら、どうだっか想像してみる。(売りの代わりに)買いに回ったとしたら?(買いではなく)売りだったら?どんな感じか?どんなふうに考えるか?」
訪れるかもしれない破局に備えることも必要。思いつく限りの悲惨な状況を思い描いてみる。
もし予想外の値動きショック(激動)が1日か2日続いたらシステムはどうなるか。ダウが500ポイントも下落したり(10年間で2回もあった)、湾岸戦争のときにクウェートで起きたような原油問題がまた起きるなど、生涯に一度のことが相場で起こったらどう持ちこたえるか。
災難のリストができたら、それぞれの対策を何通りか作る。それらをそらんじて、実際に練習してみる。
災いへの備えができたら、システムの完成である。
● 参考書籍 ●
「魔術師たちの心理学 ― トレードで生計を立てる秘訣と心構え」
バン・K・タープ (著), Van K Tharp (著), 上野 惠子 (翻訳), 萩原 重夫 (翻訳), 戸張 義雄 (翻訳)
