● 株式市場の成長銘柄を見分ける方法 ●
過去の主導株を検討し、多くの成長銘柄に共通する特徴のすべてを知ること。これにより、劇的な株価上昇の直前にそれらの株式がどのような値動きを示したかを知ることができる。
過去の株式市場における魅力的な主導銘柄すべてに関する集中的な研究から導き出された、それらの共通の特徴と成功の秘訣をCAN−SLIM手法と名付けた覚えやすい簡単な体系で説明する。
CAN−SLIMの七文字のアルファベットは、一流の成長銘柄が株主に巨大な利益をもたらす前の段階に示した七つの主要な特徴をそれぞれ表すものである。
C =Current Quarterly Ernings 当期四半期の1株当たり利益(どれだけあれば十分なのか?)
A =Annual Earnings Increases 年間の収益増加(意味ある成長が認められる銘柄を探す)
N =New Products, New Management, New Highs 新製品、新経営陣、新高値(適切なタイミングで買う)
S =Supply and Demand 株式の需要と供給(総資本が小さく株式需要が高いこと)
L =Leader or Laggard 主導銘柄か、停滞銘柄か(あなたの株式はどっちだろうか?)
I =Institution Sponsorship 機関投資家による保有(数社であっても意味がある)
M =Market Direction 株式市場の動向(どう見極めるべきか?)
● C =Current Quarterly Ernings 当期四半期の1株当たり利益(どれだけあれば十分なのか?) ●
・普通株を買う場合、当期四半期(業績が発表された直近の四半期)における一株当たり利益が、前年同期比で大きな伸び率を示しているという条件をクリアした銘柄を選ばなければならない。
・直近の収益増加が大きい株を探す(1970〜82年高収益企業の最新四半期報告の収益増加率 中央値34%、平均値90%)
・紛らわしい収益報告に警戒せよ
投資家が成功するための重要なカギは常に、当期四半期収益の前年同期比での伸び率がどれだけ大きいかである。
・六ヶ月、九ヶ月の収益を四半期ベースに直す
業績報告は楽観論で書かれているものなので、すべてがうまくいっているという言葉を必ずしも真に受けてはならない。常に四半期ごとの数字に直しておけば、まったく異なった企業実体と傾向を知ることが可能になる。
・企業の一時的な特別利益は無視する
将来継続することのない利益に惑わされてはいけない。こうした利益は一時的で将来継続することのない利益であり、企業の真の継続的運営状態を表すものではない。それらは一切無視すること。
・当期収益の増加率に最低目標を設定する
直近の四半期の収益が前年同期比で少なくとも18%ないし20%以上伸びていない株式は購入すべきではない。多くの投資成功者は、25%もしくは30%を最低限の収益増加目標に設定している。また、伸び率は自分で計算して確認すべきであり、推測や想像で済ませてはいけない。さらに直近の2四半期のどちらもが、同年前期比で著しく増益しているという条件を加えれば、より安全な投資になろう。
・当期収益の過大評価に関する検討
個人投資家は、企業の努力が実って実際に収益増加が始まったことが確実になるまで待っていれば良い。
当期四半期収益に相当の上昇を求めることは、賢明な投資家が株式選択において大きなミスを犯すリスクを縮小させるための利口な方法のひとつである。
・当期収益が急増した企業を探す
重要なのは、単に収益が上昇することでもPERが高いことでもない。非常に大きな株価上昇を引き起こすカギは、収益増加率が過去のそれよりも上回ることである。ウォール街ではこうした収益を「サプライズ」と呼んでいる。
年間収益増加率が15%程度の企業が、突如として年間40〜50%の収益の急成長を始めたとしたら、それはたいてい株価上昇のための重要な基礎的条件が整ったと考えられる。
・2四半期連続で収益増加率が減少したときは注意せよ
・週単位の対数グラフを分析する
増益率の変化が対数グラフに正確に表れる理由は、株価と収益どちらのグラフでも、必ず一メモリが等しい変化率を示すからである。これは通常の等差グラフではできない。
収益増加性および原則製の原則は必ず理解しなければならない。
・同業他社の注目銘柄を調べる
同じ業界の中で、好ましい当期収益を計上している目を引く銘柄が、少なくともひとつはみつかるはずである。これは投資が正しいことの裏づけとなる。仮にその業界の中に力強い収益を示す魅力ある銘柄がひとつもみつけられないとすれば、あなたの投資選択は誤りであった可能性が高い。
・当期四半期収益報告のどこに着目するか
12月締めの四半期の一株あたりの利益の増加率は、必ず前年の同期の値と比較すること
・前年同期比で一株当たり当期四半期収益が大きな増加率(少なくとも20〜50%以上)を示した銘柄を選択しなければならない
● A =Annual Earnings Increases 年間の収益増加(意味ある成長が認められる銘柄を探す) ●
・過去五年間の年間一株当たり利益が、それぞれ対前年で増加していなければならない。
過去五年のうち収益低下した年が一年あったとしても、その翌年すぐに高水準に収益が回復すれば、その株は投資対象に含めてもよいかもしれない。
・年間成長率25〜50%の株式を選ぶ
投資対象として選ぶすばらしい企業は、過去四年〜五年にわたって複利ベースで毎年25〜50%、あるいは100%以上の年間収益増加率を実現してきた企業でなければならない。
翌年の収益にも十分な増加率が見込まれなければならない。増加率が大きいに越したことはないが、見通しはあくまでも推測であることを忘れてはいけない。
・正常な株式市場サイクルとは?
ほとんどの強気(上げ)相場サイクルは2年から4年続いた後、景気後退や弱気(下げ)相場に入り、その後、新たな強気相場が訪れる。
新たな強気相場の初期段階では通常、成長銘柄はマーケットを牽引して新たな高値を目指す先頭集団を作る。鉄鋼や化学、製紙、合成ゴム、機械などの基幹産業に属する銘柄は、たいてい回復が遅れる。
まだ成長の初期段階にある成長銘柄は、少なくとも強気相場2サイクルで主導的銘柄となる。続いて市場全体の重心は、次の相場サイクルへと移るか、あるいは一時的な相場の反転をみせるか、または景気循環型銘柄や消費者関連銘柄の成長株、店頭銘柄の成長株、前回の相場サイクルでは取り残されていた防衛銘柄などに移行していくことになるだろう。
・過去五年間の収益安定性を確かめる
主たる投資銘柄を、過去すでに収益成長を実現したベンチャー企業に絞るのであれば、過去の収益推移が不安定であったり、前回の相場サイクルにおける最高収益に近づくにつれて収益が天井を打ってしまうような銘柄は(非常に数が多いが)避けなくてはいけない。
・同一業種内の負け組を除外する方法
ある特定の業種を調査する場合にも、五年間の収益成長の基準を使えば、その全銘柄の80%を除外することができるだろう。というのも、同一業界内の大多数の企業はさえない成長しかないか、まったく成長していないからである。
投資対象が過去五年にわたって好ましい収益成長を示していたとしても、その銘柄が必ずしも成長銘柄と呼ぶべきものとは限らない。皮肉なことだが実際は、成長銘柄と呼ばれる企業の中には、過去に達成した成長率よりもかなり低い成長率しか上げていないものがある。こうした銘柄は通常、投資を回避すべきである。これらは、完全に成長しきった、あるいは老いぼれ同然の成熟銘柄である。歴史が古く規模が大きい企業ほど、成長率が低くなる傾向が強い。
・新たな相場サイクルが新たな主導銘柄を生み出す
・年間収益、当期四半期収益がともにずば抜けた企業をみつける
傑出した株式と呼ぶには、過去数年間にわたり安定した成長率を維持してきているだけでなく、直近数四半期においても力強い当期収益を上げてきている必要がある。これら二つの重大要素という最強の組み合わせを実現している銘柄は、どちらか一方の要素が飛びぬけて素晴らしいものよりさらに優れた銘柄であり、少なくとも真の成功が高い確率で見込める銘柄である。
・PERは重要か?
各相場サイクルにおける勝ち銘柄に関する事実に基づいた分析の結果、PERからではある銘柄が買いなのかどうかがほとんど見分けられないことがわかっている。
PERはほとんどの場合、卓越した株価成長を予測するための重要な指標とはならない。
・素晴らしい株式を見逃してしまった理由
もしも1993年までの40年間に成長株が記録していた平均的PER(20〜30倍)の株価を払いたくないと考えたのであれば、あなたは自動的に入手可能な投資対象の大半を除外してしまったことになる。
調査の結果、PERは強気相場の局面では高くなる傾向があった。景気循環的な銘柄を除き、弱気相場の局面ではPERが低下した。
単にPERが低いからという理由で株を買ってはならない。
・同一業種内の企業分析の誤った手法
それは、ある業種内で銘柄を比較し、PERが最も低い水準で売られている銘柄は必ず過小評価されており、ゆえにそれは最も魅力的な買い対象であると結論付けることだ。こうした銘柄は通常、過去の収益推移が最悪であり、そのことこそが最低のPERで売られている理由なのである。
すべての銘柄が、その時々の価格に見合った株価で取引されている。
・PERが高くても割安な銘柄がある
比較的企業規模が小さく、革新的な新製品を有する魅力ある企業の成長段階においては、PERが高くても実際の価値から見れば低いといえる場合がある。
・PERが高い銘柄は空売りしてはいけない
投資家の個人的考えはたいがい間違っているものであるが、市場が間違えることはめったにない。
・過去五年の年間収益に著しい成長がみられた銘柄に投資を集中させる。
年間収益の増加に加え、直近の四半期収益に力強い工場がみられたことを絶対的条件として、例外を認めないこと。
● N =New Products, New Management, New Highs 新製品、新経営陣、新高値(適切なタイミングで買う) ●
・株価が驚くような上昇をみせるには、何らかの新しいものが必要である。
それは、今後の収益増加率を加速度的に伸ばす原動力となるような、どんどん売れる卓越した新製品や新サービスかもしれない。あるいは、最近数年間に行われた企業経営陣の交替かもしれない。新経営陣は企業を刷新するか、少なくとも人々を奮起させるようなアイデアや活気をもたらすことだろう
。
あるいは、その企業が属する業界内における重大な変化がカギになるかもしれない。その業界が供給する製品やサービスへの需要拡張や価格上昇、新技術が、業界内の企業すべてにとって好ましい影響を与える場合がある。
・1953年〜93年までの期間において最大の株価成長を遂げたアメリカの銘柄を研究することで、度肝を抜くような大成功を収めた企業の95%以上は、主要な新製品やか新サービスを有していたか、あるいは属する業界の状況に重大な好ましい変化が見られたという共通点があることが明らかになっている。
・大多数の投資家にとって株価が高すぎてハイリスクにみえる銘柄は多くの場合さらに値上がりし、株価が低く割安に見える銘柄はさらに値下がりする
・最良の買い時はいつか?
株価は修正局面および底入れを経た後、過去最高値に近づいたり実際に高値を更新したりするものだ。株価の底入れ(地固め)期間はたいてい、7、8週間から15ヶ月程度続くものである。
適切な買いのタイミングを逃して、5%から10%以上株価が底値を離れて上昇してしまったら、その株は見送るべきである。
・一般的な投資家の大多数が高いと感じるときにその株を買い、それが相当値上がりしてついには大衆投資家の一部がその魅力に気づき始めたころに売る。
・カギとなる新製品や新サービスを有する企業、あるいは経営陣に交替があったり、業界内の状況に変化があった企業を探すこと。最も重要なのは、株価が底入れを終えて新たな高値圏に向かっている、あるいは実際にその域に達した企業の多くは、あなたにとっての最良の投資銘柄候補だということである。
● S =Supply and Demand 株式の需要と供給(総資本が小さく株式需要が高いこと) ●
・ウォール街のアナリストたちの意見よりも、需給の法則の方が重要である。
・大きいほど良いとは限らない
発行株式数1000万株の銘柄と同6000万株の2銘柄のうち、どちらを選ぶか迷っているとすれば、他の条件が同じなら、発行済み株式数が少ない銘柄はより大きな株価変動が起きる可能性が高いことを考慮に入れるべきである。
「浮動株」は、その企業の経営陣による安定保有株式数を除外した、市場に出回る普通株のことを指す。経営陣による保有比率の高い株式が、一般的には最良の投資対象銘柄となる。
・管理人ではなく起業家精神に富んだ経営陣のいる企業を選ぶ
・愚かな株式分割は命取り
・公開市場で自社株買いをしている企業を探す
特に中小規模の企業が、一定の期間にわた公開市場で自社株の買戻しを行っている場合、それは非常に望ましい兆候である。これは資本構成における発行済み普通株式数を減少させると同時に、その企業が将来的に売り上げと収益を伸ばす期待が持てることを示唆している。
自社株買いの結果、一株当たり利益を計算する際の分母(発行済み株式数)が小さくなり、一株利益は自動的に増加することになる。一株利益の成長率は、傑出した銘柄の株価押し上げの大きな要因である。
・対総資本で負債比率が低い企業が望ましい
発行済み株式数が適切あるいは少ない株を選んだら、長期の負債および社債が企業の総資本に対して何%になるかも確かめるとよい。一般的には、負債の比率が低い方が安全で優良な企業である。
負債比率が高い企業の一株当たり利益は、高金利の状況下では大きな打撃を受ける可能性がある。財務体質的にレバレッジの高い企業はおおむね、低質でハイリスクとみなされる。
反対に、過去2,3年で負債額および負債比率を低下させた企業は、投資対象として検討すべき価値が十分ある。その他の状況に変化がなければ、その企業の利払い額は実質的に減少することとなり、その結果一株当たり利益は増加するはずである。
・発行済み株式数が適切あるいは少ない銘柄は、その他の条件が同様であれば、歴史が古く大資本を有する企業よりも概して株価成長率が高いということを忘れないこと。
● L =Leader or Laggard 主導銘柄か、停滞銘柄か(あなたの株式はどっちだろうか?) ●
・業界の上位2,3社の株を買え
有力産業における上位2,3社の株は、信じられないほどの成長を遂げる可能性がある。だが他方、それ以外の企業はまったく振るわないかもしれない。
・共振株は買わない
共振株とは、主導株と同業界内に属するが、業績が冴えず、株価の動きも鈍い銘柄である。そうした銘柄は主導株の強い値動きに「共振」して、その動きに追随しようとする。しかし、「先頭を行く者がカキの身を、二番手はカキの殻を手にする」のである。
・あなたが選んだ銘柄は相対株価評価が70以上か
1953年〜93年までの各年の値上がり上位500銘柄が、実際に大きな株価上昇を始める直前の相対株価評価は、平均で87となった。このことが示すマーケットの勝者になるための大原則とは、停滞株や共振株を避け、「真の主導株を探す」ことである。
・相対株価評価のグラフが7ヶ月以上も低迷を続けている場合、あるいは急速な落ち込みを4ヶ月以上続けている場合、その株には注意が必要である。
・損切りは常に早く
もし複数銘柄の株式を保有しているとしたら、その中で最も値動きの振るわない株を真っ先に売り、最良の値動きをしている株は長めに保有するよう心がける。
悲惨な負け銘柄は早めに損切りして、好調な株から得る利益をさらに膨らませるよう努める。
・プロも間違いを犯す
市場が発する警告を無視する者は、たいてい手ひどい損失を被ることになる。
・停滞株に手を出せば、それがどんなに安かろうとその後の値動きに期待を持てない。マーケットを牽引できる銘柄を探すことが最も重要である。
● I =Institution Sponsorship 機関投資家による保有(数社であっても意味がある) ●
・供給が増加するためには、大きな需要が必要だ。株式に対する最大の需要を創出するのは機関投資家による買いである。一企業が必ずしも数多くの機関投資家を株主に抱える必要はないが、少なくとも数社はそうした株主がいた方がよい。もっとずっと多い企業もあるだろうが、最低限3社から10社程度のミューチュアル・ファンドが株主にいる状態が適当であろう。
投資で成功するためには心得ておくべきことがある。それは、機関投資家は大多数の投資家よりも経験豊かで、より優れた投資実績を持ち、投資銘柄の選定に長けているということである。
・機関投資家とは?
機関投資家は、投資信託や企業年金基金、保険会社、大規模な投資顧問会社、ヘッジファンド、銀行の信託部門、慈善団体や教育団体の機関などであることが多い。
・機関投資家によって「過剰保有」されていないか?
機関投資家による保有率が非常に高い株は、潜在的にリスクが高く惨めな投資結果を生む銘柄となる可能性がある。
・ある銘柄を何社が保有しているのかという情報は、その銘柄をどの優れた機関投資家が保有しているかとか、前四半期に買ったかという情報と比べれば、必ずしも重要ではない。何社が保有しているかということが重要になるのは、最近の四半期のトレンド、その銘柄を保有する機関投資家は増えているのか減っているのかを知りたいときだけである。
・直近の四半期に機関投資家が買った株に注目する
賢明かつ洗練された機関投資家による買い銘柄と、誤った判断による平凡な買い銘柄とをえり分ける。
・最近の投資実績が平均以上である機関投資家のうち、少なくとも数社が買っている銘柄を買うべきである。
● M =Market Direction 株式市場の動向(どう見極めるべきか?) ●
・マーケットの方向性を見極める最良の方法は、毎日のマーケットの全体平均を把握し、それを理解することである。
・マーケット全般について、日々の株価と出来高のチャートを読めるようにすべきだ。それができれば、マーケットを見失う必要はない。トレンドの逆を張るつもりでないなら、それ以外にあまりする必要はない。
・マーケットがいつ天井に達したか、あるいは底を打ったかを見極めることが、この複雑なゲームの50%を占める。またそれは投資手法のカギであり、プロも素人も含めたきわめて数多くの投資家に欠落しているものでもある。
・マーケットが天井をつける兆候
過去におけるマーケットの転換点は、ダウ平均が新たな高値圏に入り、出来高の増加が始まって3日目から9日目の間にほとんどが起きている。新高値では普段のチャートの足よりも長い足をつける。マーケットが天井をつけるときの状況はそれぞれ類似しているようである。
・株価上昇を伴わない出来高増加に注意する
上昇トレンド中の1日に、マーケット全体の出来高が前日よりさらに大きくなる日があるだろうが、ダウの終値平均は頭打ちとなり、上昇傾向は過去数日間よりも目に見えて緩やかになるだろう。
・株価下落の始まりには出来高が減少することがある
・マーケットが転換する可能性がある時点では、いくつかのマーケット指標をチェックし、それらの間に大きな食い違いがないかを確かめるべきである。たとえば、ダウ平均が10ポイント上がった日に、より多様な銘柄を網羅しているS&P指数がダウ平均の2ポイント相当しか上がっていないとしたら、相場の反発は思ったより範囲が狭く、力強さにも欠けるということである。
・33%の下落を取り戻すには50%の上昇が必要
株式相場全体の方向性を見極めることがどれほど重要かを認識しなければならない。なぜなら、株式ポートフォリオの時価が33%減少すると、それを取り戻すには50%の上昇が必要になるからである。
・公定歩合の変更による影響
FRB(連邦準備制度理事会)による公定歩合および株式委託証拠金水準の変更は、重要な指標である。これらは恐らくマーケット全体のファンダメンタルズ要因における最も重要なものさしとなるものであり、主要銀行によるプライムレート(最優遇貸付金利)変更よりもさらに重要である。
公定歩合が連続的に3回引き上げられると弱気相場と景気後退が始まり、その後ついに公定歩合が下げられると弱気相場終結の兆しが出るというパターンが、過去に数多く起きている。
・弱気相場の間のマーケットは、高く寄り付き、安く引ける日が多い。
・強気相場の間は、値を下げて始まり、日中に値を戻して高く引ける傾向がある。
・相場の変化をとらえる簡単なテストがある。直近の4,5回の買いのうちひとつでも利益を出しているものがあるかを確認し、もしそれらが全滅だとしたら、相場全体が悪化している可能性があると考えられる。
・株式市場が今後どう進むかを知る必要はない。マーケットで実際に何が起きてきたかだけを知っていればよい。それが成功へのカギだ。
・毎日の平均株価の次に大切な株式市場の重要な変化を示す指標は、主導株の値動きである。
・マーケットの底入れを感知する
マーケット下落後初めての短期的な上昇が、3〜10日間連続するときが注目すべきときである。株価回復の動きが出ても、一日や二日目では相場が本当に反転したのか見極めがつかないので、その後の上昇に神経を集中させる。上昇が数日続いたところで目を光らせるべきことは、ダウ平均かS&P指数が1日で1%以上上昇し、かつ相場全体が前日比で増加していることである。
・底値からの反転は二度確認する
相場が底入れするとき、個人投資家は相場の反転を二度確認してから大きな買いに転じた方がよい。
・弱気相場が始まるひとつの確実な兆候は、元の強気相場の主導銘柄がぐらつき始め、質の劣る低位株の投機的銘柄が値上がりを始めることである。
・最良の銘柄群がマーケットを牽引できないとすれば、最悪の銘柄群が長期にマーケットを牽引できるはずがない。
・市場は投資家の過剰なプライドや膨張したエゴを、ほどよい大きさまでたやすくそいでいく。結局すべては、自分が昨日とか六週間前に言ったりやったりしたことが正しかったことを証明しようとするのではなく、個人的偏見をすっかり捨て去り、市場の言葉に耳を傾けそれを理解することである。株式投資で大損したり破産したりするための一番の近道は、「自分は正しく市場が間違っている」ことを証明しようともがくことである。
・株式市場が底を打つのは、たいがい景気がいまだ下降局面にあるときだ。数ヶ月先の経済的展開への期待が誘因である。アナリストはこうした現象について「将来を織り込む」という表現を用いる。同様に、強気相場が天井をつけて下降を始めるのは、景気後退が始まる前であることが多い。
したがって、経済指標を使って株の売買時期を決めるのは、一般的に非常にまずいやり方である。
・1,2年目で儲ける
たいていの場合、大金を儲けるための最大のチャンスは、通常の新たな強気相場の上昇過程における最初の1,2年目である。
・大掛かりな強気相場が始まるのは機関投資家のキャッシュポジションが通常よりも高いときであり、また、強気相場が頭打ちとなるのはたいてい彼らのキャッシュポジションが通常より低いときである。
・最良の金融指標
株式市場全体はさまざまな業界と同様に、その方向性が金利の変更によって影響を受けてきた。金利水準は通常、FRBの金融引き締め・緩和政策と密接に関連しているので、FRB加盟銀行の預金準備水準、マネーサプライ(貨幣供給量)を示すM1,M2の変化、自由準備金(フェデラル・ファンド)レート、消費者物価指数、加盟銀行の支払準備金、銀行ローンに対する政府保有証券の比率、90日物財務省短期証券利回り、財務省長期債券価格などに注意を向けるべきだろう。
これらの金融指標は、将来の連邦政府の政策決定や、それが株式市場や個々の株式、アメリカ経済にどのような影響を与えるかを予測する助けになる。
・日々のマーケット全体の各種指標と、個々の主導銘柄の値動きを読み解く方法を学べ。
● まとめ ●
C Current Quarterly Earnings
当期四半期の一株当たりの利益。最低18〜20%は上昇していること。
A Annual Earnings Increase
年間の収益増加。過去五年間に意味ある成長が認められること。
N New
新製品を発表した、経営陣の入れ替えがあった、あるいはその属する業種に重大な変化が起きたこと。そして最も重要なのは、最初の大きな株価上昇があった株を買うこと(低位株にはそれ相応の理由があるので買わない)。
S Supply and Demand
株式の需要と供給。発行済み株式数が少ない、あるいは適切であること。総資本が大きく歴史が古い企業は選ばない。また株価が上昇するとき出来高も増えること。
L Leaders
相場を牽引する銘柄を選び、停滞銘柄は選ばない。
I Institutional Sponsorship
機関投資家による保有。最低でも数社の、平均以上の収益を上げている機関投資家による投資があること。
M The general market
株式市場の動向。これが投資結果の明暗を分けるので、株価と出来高の変化を含む日々の相場全体の指標と、個々の相場主導銘柄の値動きを読み解き、マーケット全体の方向性に関する結論を下せるようにする。
● 参考書籍 ●
「オニールの成長株発掘法」
ウィリアム オニール (著), 竹内 和巳 (翻訳), 松本 幸子 (翻訳), 増沢 和美 (著)
